支える会ニュース第001号②

支える会ニュース第001号②

<攻撃のあらまし>

 日本IBMは、米国IBMの『生産と業務の拠点を先進国から発展途上国に移管し、人件費を削減し、さらなる利益追求に邁進する世界戦略』に従って“人減らし”を短期間に大胆に進めています。

 合理的な説明がつかない低評価(※1)を行い、PIP(個人業績改善プログラム)を悪用し、“改善の見込みがない”とレッテルを張って、人権侵害の執拗な退職強要を実行してきました。

 そして「首切りカッター」の異名を持つマーティン・イエッターが社長に就任した直後の2012年7月以降、まさに“ロックアウト解雇”と呼ぶべき手間暇かけない解雇を次々に強行しました。

 標的とされた労働者を終業時刻30分前に「業務打ち合わせ」を装って会議室に呼び出し、人事スタッフが「解雇通告書」を読みあげ、解雇理由の説明も一切なく、質問も無視し、“数日以内に自主退職を選択しない限り解雇すること”を宣告。そして就業時刻までに荷物をまとめて退社するよう命じ、犯罪者を扱う様に監視して職場から追い出し、二度と入ることを許さないという手口です。

 2012年7月から2013年6月末までに組合員だけで26名もの解雇通告を強行。これは支部組合員の2割に相当する人数です。会社は、解雇通告総数を明らかにしませんが、明らかに労働組合員への攻撃を先行させています。雇用と生活を守る為に奮闘しているJMIUを敵視し、支部役員や分会役員を狙い撃ちにする不当労働行為、組織攻撃を始めたのです。

 会社は、JMIUの職場内の影響力を排除し、“労働組合に頼っても解雇される”ことを示し、抵抗せず退職強要に応じる労働者を増やすことを狙っています。会社は、判決が出るまでの間に多くの労働者を辞めさせ、“人件費削減目標を達成する”つもりなのです。

 また、ロックアウト解雇と機を同じくして、低評価をつけた労働者全員の年収を、例外なく10%ないし15%減らす攻撃も開始しました。今後、毎年実行することを公言しています。例えば、3年連続の低評価で元の賃金の約65%(※2)に下げられます。新入社員も例外ではなく、低評価を受ければ初任給をも下回るという異常さです。

 職場を恐怖で支配し、「High Performance Culture」なる標語で絞め付け、残業代の請求さえ許さず、長時間過密労働を強いています。労働者の健康などお構いなしに徹底的に搾り取ることが狙いです。これは、日本IBMで働くすべての労働者に仕掛けられた攻撃です。

 また、日本と米国の財界の要求に応え、安倍政権が画策する“労働・雇用分野の大胆な規制緩和”、が欲している「日本社会における解雇の自由化」攻撃の先取りです。つまりは日本の労働者全体に仕掛けられた攻撃です。

 解雇の自由化を許さない世論を喚起しましょう。“整理解雇の四要件”を守り貫きましょう。

 ブラック企業のメダリスト=日本IBMとのたたかいを全国に広げ、労働者の生活と権利を守り抜くたたかいに是非お力をお貸しください。

 支える会への入会を改めてお願いし、攻撃のあらましの結びと致します。

 

呼びかけ人代表 小山内 文春

 

※1 日本IBMの評価は、完全相対評価です。これは、年初に上司と部下で確認し設定した目標を、年間を通じて超過達成しても、相対評価で順位付けされた結果が下位15%に入れられると低評価者として扱われる制度です。年間実績で超過達成している労働者に、何のために低評価をつけるのか全く理解できません。しかも、誰と比較されて下位15%となっているのか開示されず、また、上司に何故低評価なのかを問い合わせてもまともな説明はされません。上司の匙加減でどうにでもなる評価制度です。この制度を使って組合員をねらい撃ちに低評価を付けているのです。

※2 計算式は、0.9(1年目)×0.85(2年目)×0.85(3年目)=0.65025 約65%

 

 

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